新商品をご紹介します!
リネンコットンシルク「VASCO(ヴァスコ)」です。
艶があって柔らか、上質を形にしたような糸です。





品番:VASCO(ヴァスコ)
番手:1/13NM
混率:51%Linen 26%Cotton 23%Silk
リネンはサフィラン社のウェットスパン糸なので手触りはサラッと、かつ滑らか。
そこにコットンコーマの柔らかさとスパンシルクの艶がプラスされて上質感さらにアップ。
適度な清涼感と優しい肌ざわりを併せ持った糸になりました。
カラーは12色。
春や秋の立ち上がり時期にピッタリの素材です。
よろしくお願いします!!
----------
(これ以下の文章には私の愚痴がいっぱいです。興味の無い方や不快な思いをしたくない方は無視してください。)
上記のように商品説明をしてみましたが、やっぱり専門用語ばっかりで業界向けの文章になってしまいますね。
とりあえず用語の説明を少しだけ。
「サフィラン社」
フランスに本社を構える1778年創業の老舗リネン紡績メーカーです。
「ウェットスパン糸」
ウェットスピニングという紡績方法で作られた糸ですよということです。ウエットスピニングは日本語で「潤紡績」のこと。水で濡らしながら糸をつむぐ、リネン専用の紡績方法です。ウェットスピニングで紡績された糸は毛羽が少なく光沢があります。
「コットンコーマ」
英語で書くと「COMBED Cotton」(発音は「コウムドコットン」)COMBは櫛(くし)、いわゆる髪の毛をとく櫛のことですね。綿紡績の途中過程で、文字通り櫛状の道具を使ってワタを綺麗に整えて紡績した糸のことです。
「スパンシルク」
シルクはカイコという昆虫が口から吐き出して作った繭を解いて糸にしています。繭は解いてみると長い長い一本の繊維としてつながっています。正絹といわれる本来の絹糸は1本の長い繊維で出来ています。この長い繊維を一旦短く切ってから紡績したものがスパンシルク。日本語で書くと絹紡。柔らかくて光沢があるのが特徴です。
ひとつひとつの用語はこんな感じですね。
これでもかなり省略して説明してます。
書き出したらそれぞれの言葉について大学の卒業論文並みの解説が必要になります。
けれど、繊維業界の人でもない限りそんな情報は不要なので、もしかしたら最初の説明でも情報過多かもしれません。
ツヤがあって優しい肌ざわりのリネンコットンシルクです。
春や秋のニットにお使いください。
本当ならこれで十分なんですよ。
私の素材説明には書かなかったんですが、ここにことさらに世界観をプラスするため「フランスの大地ではぐくまれたフラックスが~」とか「長年培われた伝統の技術によってつむぎだされる上質なシルクが~」とかいう大げさな文章が書き加えられてるのを良く見かけます。
本来ならこういうのは要らない説明なんじゃないのかなと思ってます。
なんならリサイクルがどうとかサスティナビリティがどうとか、最近はもう言えそうなことはなんでも言っとけといった感じですね。
世界観に共感してもらうことでモノのやり取りに心情的な価値観をプラスすることはとても大事なことだと思ってます。
私自身、窯元まで出向いて作家モノの器を買ったりするし、特撮ヒーローのフィギュアも買います。
これこそまさに世界観に対する共感そのものです。
だって器なんて用を満たせば本来なんだっていいはずですし、フィギュアなんて暮らしに必要ない。
けれども、ぜひとも手に入れたい器やフィギュアがあって、欲しくないものは全く欲しくない。
これはやっぱり「○○さんの仕事への取り組みに感動したからこそ、その人の作ったものが欲しい。」とか、「あのメーカーの造形にはキャラクターへのリスペクトを感じるからこそ、そこのフィギュアが欲しい」という心の動きが伴うからこその心情だと思います。
しかし当然ながらこれは、そもそも器やキャラクターを美しいと感じたりカッコ良いと感じたりすることが大前提だと思います。
まずモノに惚れ込んだ上で、そこに奥深い世界があるからモノを手にしたときの満足度が増すということだと思います。
私はその奥深いところを知ることが楽しくて仕方が無いから、自分自身で現場にも赴くし色んな背景について調べたり学んだりします。
最近はこの奥深いところを出来るだけ簡単に見聞きしてもらえるようなプロモーションを良く見かけます。
そんなんでほんまにええんかいな?
ネットや紙に書かれた表層的な情報を読んで、その世界の何に触れたことになるの?
奥深いところは簡単に知りえないからこそ、知ったときに感動できるんじゃないの?
それ以外にも、とりあえずものを作っておいてサスティナビリティだなんだと謳っとけば共感が得られるだろう、と安直に売り出された商品が増えてるように感じます。
これ買っといたら社会貢献できますよ、というプロモーション。
分かるけど、分からん。
社会貢献は大事です。
けど、それを啓蒙するために適当にモノ作ってメッセージだけは立派なのを付け加える。
なんか違う気がする。
メーカーである以上、ちゃんとしたものを作ってご提供するのがまずは社会貢献でしょう。
値段の安い大量生産品ならまだしも、1着1万円以上するTシャツでもそんなのばっかりです。
安っぽい生地でそれなりに作った製品に、なんだかんだとストーリーをつけて値段を上げていく。
分からんでもないですが、やりすぎな人が多すぎる。
色々と言いたいんなら自分自身で色々としっかり突き詰めてやらんといかんでしょ。。。
なんとなく聞きかじりのような、誰かに借りてきたような言葉ばっかり。
それ自体のクオリティで勝負できるモノを作ってたら勝手にストーリーがついてくると思うんです。
モノ作るのって簡単じゃないし失敗しまくるから、後々笑い話になるようなエピソードなんてやってるうちにドンドン蓄積されていきますよ。
そういう失敗とか努力とかを出来るだけせずに世界観を作り出したい、という人が多すぎる。
そういう人たちの作ったものを見るとやっぱり「なんやねんこれ」と思ってしまうものが多い。
モノに現れるんですよ。
作る側はより良いものを作りたいと思う。
受け取る側は自分がそのモノの何に感銘を受けたのかより深く知りたいと思う。
その双方の思いが繋がったときの感動が大きい。
そうやって少しずつ繋がりあって出来た共同体には共通の価値観が生まれる。
それが世界観。
はい、
愚痴終了。
ちなみに、今回作った「VASCO」がリネンシルクじゃなくてリネンコットンシルクなのは、コットンのトルクで斜行バランスをしっかり合わせるためです。
スパンシルクがバランス撚りされていてトルクを持っていないので、斜行のコントロールが難しいリネンと撚り合わせるのにそもそも不向きです。
そこにリネンと同じく左方向の紡績トルクをもったコットンコーマを加えることで、右撚りに撚糸する際のトルクが安定しやすくなります。
もちろんコットンを加えることで肌触りも柔らかくなりますが、当社としては撚糸バランスの安定性を考慮してコットンコーマを加えました。
その結果、このリネンコットンシルクは洗濯しても斜行しません。
つまり洗えるリネンコットンシルクです。
他社糸屋さんならそこを売り文句にするんだと思います。
けれども、当社から糸を買われる方々のほとんどが、「エップヤーンのリネン糸は当然洗えるんでしょ?」と思っておられるので、最近は洗えるということ自体が良くも悪くもあまり売り文句にならなくなってきました。
その水準をクリアしたものしか作ってないと思っていただけてるんだ、とありがたく受け止めておきます。
最後の方のくだりこそまさに専門用語ばっかりで何のことか分からないと思いますが、ここはあえて説明しません。
説明し始めたら2~3日かかってしまうので。(笑)
リネンコットンシルク「VASCO(ヴァスコ)」です。
艶があって柔らか、上質を形にしたような糸です。





品番:VASCO(ヴァスコ)
番手:1/13NM
混率:51%Linen 26%Cotton 23%Silk
リネンはサフィラン社のウェットスパン糸なので手触りはサラッと、かつ滑らか。
そこにコットンコーマの柔らかさとスパンシルクの艶がプラスされて上質感さらにアップ。
適度な清涼感と優しい肌ざわりを併せ持った糸になりました。
カラーは12色。
春や秋の立ち上がり時期にピッタリの素材です。
よろしくお願いします!!
----------
(これ以下の文章には私の愚痴がいっぱいです。興味の無い方や不快な思いをしたくない方は無視してください。)
上記のように商品説明をしてみましたが、やっぱり専門用語ばっかりで業界向けの文章になってしまいますね。
とりあえず用語の説明を少しだけ。
「サフィラン社」
フランスに本社を構える1778年創業の老舗リネン紡績メーカーです。
「ウェットスパン糸」
ウェットスピニングという紡績方法で作られた糸ですよということです。ウエットスピニングは日本語で「潤紡績」のこと。水で濡らしながら糸をつむぐ、リネン専用の紡績方法です。ウェットスピニングで紡績された糸は毛羽が少なく光沢があります。
「コットンコーマ」
英語で書くと「COMBED Cotton」(発音は「コウムドコットン」)COMBは櫛(くし)、いわゆる髪の毛をとく櫛のことですね。綿紡績の途中過程で、文字通り櫛状の道具を使ってワタを綺麗に整えて紡績した糸のことです。
「スパンシルク」
シルクはカイコという昆虫が口から吐き出して作った繭を解いて糸にしています。繭は解いてみると長い長い一本の繊維としてつながっています。正絹といわれる本来の絹糸は1本の長い繊維で出来ています。この長い繊維を一旦短く切ってから紡績したものがスパンシルク。日本語で書くと絹紡。柔らかくて光沢があるのが特徴です。
ひとつひとつの用語はこんな感じですね。
これでもかなり省略して説明してます。
書き出したらそれぞれの言葉について大学の卒業論文並みの解説が必要になります。
けれど、繊維業界の人でもない限りそんな情報は不要なので、もしかしたら最初の説明でも情報過多かもしれません。
ツヤがあって優しい肌ざわりのリネンコットンシルクです。
春や秋のニットにお使いください。
本当ならこれで十分なんですよ。
私の素材説明には書かなかったんですが、ここにことさらに世界観をプラスするため「フランスの大地ではぐくまれたフラックスが~」とか「長年培われた伝統の技術によってつむぎだされる上質なシルクが~」とかいう大げさな文章が書き加えられてるのを良く見かけます。
本来ならこういうのは要らない説明なんじゃないのかなと思ってます。
なんならリサイクルがどうとかサスティナビリティがどうとか、最近はもう言えそうなことはなんでも言っとけといった感じですね。
世界観に共感してもらうことでモノのやり取りに心情的な価値観をプラスすることはとても大事なことだと思ってます。
私自身、窯元まで出向いて作家モノの器を買ったりするし、特撮ヒーローのフィギュアも買います。
これこそまさに世界観に対する共感そのものです。
だって器なんて用を満たせば本来なんだっていいはずですし、フィギュアなんて暮らしに必要ない。
けれども、ぜひとも手に入れたい器やフィギュアがあって、欲しくないものは全く欲しくない。
これはやっぱり「○○さんの仕事への取り組みに感動したからこそ、その人の作ったものが欲しい。」とか、「あのメーカーの造形にはキャラクターへのリスペクトを感じるからこそ、そこのフィギュアが欲しい」という心の動きが伴うからこその心情だと思います。
しかし当然ながらこれは、そもそも器やキャラクターを美しいと感じたりカッコ良いと感じたりすることが大前提だと思います。
まずモノに惚れ込んだ上で、そこに奥深い世界があるからモノを手にしたときの満足度が増すということだと思います。
私はその奥深いところを知ることが楽しくて仕方が無いから、自分自身で現場にも赴くし色んな背景について調べたり学んだりします。
最近はこの奥深いところを出来るだけ簡単に見聞きしてもらえるようなプロモーションを良く見かけます。
そんなんでほんまにええんかいな?
ネットや紙に書かれた表層的な情報を読んで、その世界の何に触れたことになるの?
奥深いところは簡単に知りえないからこそ、知ったときに感動できるんじゃないの?
それ以外にも、とりあえずものを作っておいてサスティナビリティだなんだと謳っとけば共感が得られるだろう、と安直に売り出された商品が増えてるように感じます。
これ買っといたら社会貢献できますよ、というプロモーション。
分かるけど、分からん。
社会貢献は大事です。
けど、それを啓蒙するために適当にモノ作ってメッセージだけは立派なのを付け加える。
なんか違う気がする。
メーカーである以上、ちゃんとしたものを作ってご提供するのがまずは社会貢献でしょう。
値段の安い大量生産品ならまだしも、1着1万円以上するTシャツでもそんなのばっかりです。
安っぽい生地でそれなりに作った製品に、なんだかんだとストーリーをつけて値段を上げていく。
分からんでもないですが、やりすぎな人が多すぎる。
色々と言いたいんなら自分自身で色々としっかり突き詰めてやらんといかんでしょ。。。
なんとなく聞きかじりのような、誰かに借りてきたような言葉ばっかり。
それ自体のクオリティで勝負できるモノを作ってたら勝手にストーリーがついてくると思うんです。
モノ作るのって簡単じゃないし失敗しまくるから、後々笑い話になるようなエピソードなんてやってるうちにドンドン蓄積されていきますよ。
そういう失敗とか努力とかを出来るだけせずに世界観を作り出したい、という人が多すぎる。
そういう人たちの作ったものを見るとやっぱり「なんやねんこれ」と思ってしまうものが多い。
モノに現れるんですよ。
作る側はより良いものを作りたいと思う。
受け取る側は自分がそのモノの何に感銘を受けたのかより深く知りたいと思う。
その双方の思いが繋がったときの感動が大きい。
そうやって少しずつ繋がりあって出来た共同体には共通の価値観が生まれる。
それが世界観。
はい、
愚痴終了。
ちなみに、今回作った「VASCO」がリネンシルクじゃなくてリネンコットンシルクなのは、コットンのトルクで斜行バランスをしっかり合わせるためです。
スパンシルクがバランス撚りされていてトルクを持っていないので、斜行のコントロールが難しいリネンと撚り合わせるのにそもそも不向きです。
そこにリネンと同じく左方向の紡績トルクをもったコットンコーマを加えることで、右撚りに撚糸する際のトルクが安定しやすくなります。
もちろんコットンを加えることで肌触りも柔らかくなりますが、当社としては撚糸バランスの安定性を考慮してコットンコーマを加えました。
その結果、このリネンコットンシルクは洗濯しても斜行しません。
つまり洗えるリネンコットンシルクです。
他社糸屋さんならそこを売り文句にするんだと思います。
けれども、当社から糸を買われる方々のほとんどが、「エップヤーンのリネン糸は当然洗えるんでしょ?」と思っておられるので、最近は洗えるということ自体が良くも悪くもあまり売り文句にならなくなってきました。
その水準をクリアしたものしか作ってないと思っていただけてるんだ、とありがたく受け止めておきます。
最後の方のくだりこそまさに専門用語ばっかりで何のことか分からないと思いますが、ここはあえて説明しません。
説明し始めたら2~3日かかってしまうので。(笑)
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