210107-01

自社内に東大阪繊維研究所の販売スペースを作るにあたって、家の中の色んなものを引っ張り出してはディスプレイに使えないか試しているところです。

このランプは私が20年以上前にオーダーして作ってもらったもので、長らく家のベランダでホコリをかぶっていました。

大学生のころ、当時の彼女(つまり今の嫁さん)が編み小物の作家のようなことをしていて、各地の手作り市とかクラフト市なんかによく出店していました。

私も毎度その荷物運びや店番なんかを手伝っていたので、そういったイベントに参加している他の作家さんたち(といってもほとんどの人たちがアマチュアでしたが)の作るものもよく見て回っていました。

その中でたまたま目に付いたランプがあったのでその作家さんに色々と話を聞いてみると、ステンドグラスの技術を応用して、自らガラス板を刻んで溶かした金属でつないでランプカバーを作っているとのこと。

面白いことをやっているなと思い、興味本位で、

「オリジナルのデザインで作ってもらうことは出来ますか?」

と聞いたところ

「出来ます!」

とのことだったので、実際にオーダーしてみることにしました。

詳しいやり取りは忘れてしまいましたが、細かい点はあちら任せにして大まかなラフスケッチを描いて渡したように記憶しています。

そしてしばらくするとこのランプが届きました。

当時私は通っていた大学の近所のワンルームマンションで一人暮らしをしていたので、荷物を明けてすぐにその狭い部屋の隅にランプを置いて点灯してみました。

部屋の電気を消したときのちょっとした感動は今でも覚えています。

「あぁ、こんなに綺麗に光るもんなんやな」

そう思ってかなり長い時間ボーっと眺めていました。

その時に同封されていた手紙に、実はその作家さんにとって私のオーダーが生まれて初めて他人から受けた注文であったことや、このランプが私に気に入ってもらえるのかどうか不安に思っていることなど、作るにあたっての思いがびっしりと書かれていました。

その手紙を読んですぐにその作家さんに電話をして、このランプをとても気に入っていることや早速使っていることなどを伝えました。

その後その作家さんとは全くやり取りもなく、プロになったのか辞めてしまったのかもわかりません。

けれども、このランプを久しぶりに引っ張り出して当時のことを思い出したときに、同時に自分たちが最初にオリジナルの絵柄でプリントTシャツの注文を受けたときのことを思い出しました。

それは昨年の夏ごろで、友人から会社のロゴマークを入れてほしいという依頼でした。

この話をもらったときの嬉しかった気持ちや、ちゃんと綺麗に作れるのか?という不安がまさにこのランプ作家さんの当時の心境だったんだなと。

20数年たって初めて気持ちがリンクした瞬間でした。

「あぁ、あのときの作家さんマジでめっちゃ嬉しかったんやろうなぁ」

そのランプを久しぶりに引っ張り出してホコリを払ってガラス磨き専用の布で丁寧に磨きながら、しみじみ思いました。

何ごとにも初めての経験があって初めての感動があって、そういったことは時間が経つにつれて記憶から失われていくのだと思いますが、出来ればその気持ちを忘れずにいたいものだなと思います。